外貨預金は普通の預金に比べて利率の高く、魅力的な商品ですが、普通の預金と異なるところもたくさんあります。
正しい知識で上手に活用しましょう。
外貨預金の魅力は?
円預金より金利が高い!?
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外貨預金は円預金に比べると、一般的に金利が高くなっています。
これは各国の金利情勢の違いによるものです。
円も含めて各通貨はその国の金利に合わせた利率になっています。
今、日本は海外諸国に比べると低金利なため、相対的にユーロや米ドルなど諸外国の金利が高くなっている状態で、円預金に比べると外貨預金は金利が高くなっています。
また各国の金利情勢によって異なるので外貨預金といっても、米ドル、ユーロなど通貨が違うと金利も違うので必ず確認しましょう。
外貨預金の基礎知識2でも説明しましたが、為替の変動にも注意が必要です。
金利が高かったとしても、為替の変動で円に換えた時には金利でのプラスがあったとしてもトータルでは損失が出る可能性もあります。
例えば、1ドル105円の時に預金をして、1ドル100円の時に引き出して円としたとき、100円ー105円で1ドルあたりー5円と損失となります。
例えば、1%の利益があったとしても、1ドル105円であれば、円で言えば、約1円の利息になります。
為替相場の―5円の損失と1円の利息で4円のマイナスとなりますので為替相場の状況にも注意が必要です。
為替の変動によるプラスも期待ができる?
先ほど、為替の変動によるマイナス要因をお話しましたが、逆に為替の変動によるプラスを期待することも出来ます。
円で外貨を購入した時に比べ、外貨預金から円で引き出しをした際に、為替が円安になっている場合、為替の差がプラスになります。
例えば、1ドル105円の時に預金をして、1ドル110円の時に引き出して円としたとき、110円ー105円で1ドルあたり5円の利益となります。
例えば、1%の利益があったとしても、1ドル105円であれば、円で言えば、約1円の利息になります。
為替相場の5円の利益と1円の利息で6円のプラスとなりますので利息だけでなく、為替相場の変動でもプラスになります。
外貨預金の注意点
金利の大きさだけで判断しない
上述のように、外貨預金の損益の要因は金利と為替の変動になります。
金利が大きいとしても、為替が大きく変動するような通貨や、為替が円安傾向にある通貨の場合、外貨預金を引き出す場合には、円高による為替の損失が出る可能性が高くなってしまいます。
金利だけではなく、為替の動向や変動幅などにも注意する必要があります。
引き出しのタイミングが決まっている資金は要注意
前述のように、外貨預金は、為替の変動による損益が発生する可能性があります。
為替の相場は上がったり下がったりしていますので、相場が回復するまで待つことができるのであれば、損失も回避できる可能性もあります。
逆に言えば、ある特定の時期に外貨預金を解約して円に換えて利用することが決まっている場合、円高になってしまっていると、思っていた金額を準備できていない可能性がでてきます。
ですので、外貨預金に預けるお金は、決まった時期に使う用途が決まっている資金より、しばらくの間使う用途が決まっておらず、円に換えても利益が出ている時期を待つことができる資金が適しているといえるでしょう。
預金保護制度の対象外
通常、銀行で預けている預金は1金融機関あたり元金1,000万円とその利息に関しては銀行が破綻した場合でも保護されていますが、外貨預金はこの預金保護制度の対象となっていません。「預金」とついているので保護対象と思ってしまいますが、保護の対象外ということを知っておいてください。
どんなお金を預ければいい?
いままでお話をしたように、金利は円預金に比べて有利なことが多いですが、外貨の価値が日々変わることや、為替手数料が必要なことから、予想を下回る利益になったり、場合によっては損失が発生することも考えられます。
外貨ベースでの元本確保ができており、決まった金利で運用されているので株式投資ほどの大きな損益になることはありませんが、リスクは0(ゼロ)でないことを考慮して預けることが大事です。
つまり、外貨預金で預けるお金は、しばらくは使う予定のない、中長期で増やすことを考えることができるお金を預けるのがいいでしょう。
(2021/02/10加筆)