分配金というと儲かったお金、つまり利益が出てくるイメージがありますが、投資信託の場合はちょっと違います。
特に毎月分配型で受取る分配金はちょっと注意が必要です。
そもそも投資信託の分配金って?
投資信託は株や債券、不動産などに投資をして収益を上げることを目的としています(必ず「上がる」わけではない(^_^;))。
一般的には1万口=1万円で販売をスタートするわけですが、運用の結果によって上がったり下がったりします。
分配金はこの運用の結果、つまり投資信託本体から出すものです。
分配金の出る頻度は商品によって違って一年に一回、半年に一回、毎月一回などありますが、分配金を出さない商品もありますし、出る時もあれば出ないときもある商品もあります。商品毎に運用する会社が好きに決めていいようになっています。
よくある間違いなのですが、分配金が出る商品がいい商品というワケではありません。
分配金は出ても出なくてもソンにはならないのです。
例えば、1万口当たりの価額が13,000円の投資信託が1,000円の分配金を出したとします。
本体から1,000円を出すので、分配金が出たあとの商品の値段は12,000円になります。
つまり、
本体12,000円 + 分配金1,000円 = 13,000円
となるので、たとえ分配金が出なくても、結局同じになると言う事になります。
なので分配金が出ないからといって悪い投資信託とは言えないのです。
銀行預金の利息は、自分が預けているお金が増えるのではなく、銀行がどっかから持ってきた(?)お金をくれているので、利息を貰ったからといって元本が減るワケではないのですが、投資信託の場合は元本から出しているので、出した分だけ元本が減ることになります。
分配金 ≒ 利息 ではない!
と言う事を知ってください。
毎月分配型の投資信託の注意点!
一時期資産運用のご相談で多かったのが、「銀行で買った投資信託の元本が減っていて、どうしたらいいかわからない」というご相談です。
分配金≒利息とイメージして購入していた人が多かったようです。
なぜ、元本が減っていくのか?と言う事なのですが、毎月分配型の特徴として、「儲かってなくても毎月分配金を出す」というものがあります。
お金が毎月もらえるのはいいのですが、あくまで本体から出ているお金であることを知って使う必要があります。
例えば、1万口=1万円でスタートした投資信託Xが毎月100円の分配金を出すとします。
Xが毎月100円以上利益を出していればいいのですが、運用はいい時も悪い時もあるのが普通です。
1万円+利益110円ー分配金100円 =元本1万10円
だといいのですが、
1万円+利益50円ー分配金100円 =元本9,950円
となってしまったり、
1万円+利益△50円ー分配金100円 =元本9,850円
となってしまうこともあります。
されに、9,850円になったところから次の月も分配金を出すワケですから、運用をがんばらないとドンドン元金を減らしていくようなことになってしまいます。
結果として「元本が大きく減っていた・・・」ということになりかねないのです。
毎月分配型が悪いわけではない!
「じゃあ、毎月分配型の投資信託はダメな商品なんだ!」と思われるのはちょっと待ってください。
投資商品にはいい・悪いはないと思っています。
選ぶ人のニーズに合っているか合っていないか、だけなのです。
「元本は確保しながら、お金が欲しい」という人には向いていない商品というだけです。
例えば、「老後の生活費として資産を切り崩して使いたい。ちょっとでも資産がなくなるのを先延ばしにしたい」という目的であれば運用をしながら分配金を受け取ることで資産の切り崩しを少なくする、長く資産を使えるようにすることができます。
わたしのお客さまの中では、毎月の分配金でフィットネスクラブに行っている方がいらっしゃいます。元本は気にせず、分配金が出続けている限りフィットネスの会費に使い、年金は食費や水道光熱費などの基本生活費に使いたい、という目的で商品を選びました。
ニーズに合った商品選びを!
例えば話として服の話をよくしますが、みなさんは目的に合わせて服を選んでいると思います。結婚式に参列するのにジャージではいかないと思いますし、山登りの時にスーツを着ないですよね?
それと同じで資産運用もニーズに合わせて選ぶ事が必要です。
「この商品がいいですよ」と言わるがままに購入するのではなく、「何のために使うお金なのか」「どんな理由のお金なのか」をしっかり考えて投資してくださいね。