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独立を志す士業向けのファイナンス講座

2012/07/14

「独立を志す士業向けのファイナンス講座」というテーマで、大阪府中小企業診断協会のご依頼でセミナー講師を務めさせていただきました。

開業前後の診断士の方、20名以上に集まっていただいて、個人事業主の税務や社会保障、年金の話などをさせていただきました。

会社員から、自営業者になった場合には、社会保障料の納付の仕方などが多く、私自身とまどった部分などを体験を交えてお話させていただきました。

また、税務や社会保険とは少し違うのですが、独立した際の仕事の考え方、人脈の形成などについても余談としてお話させていただきました。

そのせいか、本題より余談の方が盛り上がっていたきがします(^_^;)

大阪府中小企業診断協会

会社員と個人事業主の税務や社会保障の違い

会社員として働いていると、税金や社会保険料は給与から天引きされます。

また、その税金や社会保険料を納めるべき金額も会社の経理などの担当者が行ってくれるので、「なぜこれくらい納付しているのか」を知らない人がほとんどだと思います。

そして、「なんか税金とか社会保険料とかって高いよなぁ・・・」とぼやきが出てしまうこともしばしばです。

しかし、個人事業主になると自分で手続きをするか、税理士などを雇って税金や社会保険料などの納付のための業務を行わなくてはいけません。

税金での違いは?

大きな税金の違いは、会社員は会社が年末に会社が「年末調整」という形で納税を完了してくれるのに対して、個人事業主は、一年の税額を「確定申告」を行うことで支払うことかもしれません。

本来なら、自営業も会社員も分け隔てなく、経費を計上したりして個々人で確定申告をするべきなのかもしれませんが、国民全員が確定申告をすることになると税務署もパンクしてしまうので、会社員と個人事業主では納税の仕方が違うのではないかと想像しています。

税金は会社員も個人事業主も稼いだお金から、経費を引いて「所得」を出してそこから、各種控除(基礎控除、配偶者控除、医療費控除、生命保険料控除、住宅ローン控除など)を差し引いて「課税所得」というものを導き出し、この課税所得に対して、税額が決まります。

「サラリーマンは経費なんか認められてないよ!」と思わる方も多いかと思いますが、「給与所得控除」といって、収入に応じて、「みなし経費」が認められています。これを、「給与所得控除」といって、実際の収入から差し引いて税額が決められます。

なので、会社員の人の中には、「自営業は何でも経費にできていいよね」なんてことを言う人も居ますが、実は会社員の方が、使ってないお金も経費として認められている部分があり、会社員より有利になってしまう可能性もあります。

社会保険上の違いは?

社会保険には大きく分けて、年金保険と健康保険があります。

会社員の場合は、厚生年金保険と会社の所属する健康保険組合に加入しています。

個人事業主の場合は、多くの場合、国民年金保険と国民健康保険に加入しています(働く業種によっては、業界で組合を作っている場合もあります)。

年金保険で言うと、厚生年金は、国民年金の上乗せのような制度なので、老後に受け取る老齢年金や、万が一の時に受け取る遺族年金、障害年金などが国民年金に比べると充実しています。また、年金保険料、健康保険料は労使折半ですので、実際の保険料の負担額は半額という形になります。

健康保険は、その組合によって制度が異なりますが、原則、国民健康保険の保障制度が基本となり、組合によって上乗せがあります。

例えば、高額療養費制度は、1ヶ月の医療費の上限限度額が定められていて、一般的な収入の場合、ざっくりというとひと月10万円が自己負担の上限となっています(実際には、細かな計算式がありますが、今回は省略させていただきます)。

組合によってはこれにプラスして、上限額をもっと引き下げる、入院した場合に見舞金を給付するなどといった形で制度を充実させている組合もあります。

暮らしに変化があったらファイナンシャルプランナーに相談を!

今回は、会社員から個人事業主になる際の税務や社会保険などの変化を中心にしたセミナーではあったのですが、会社員が転職した場合でも、健康保険組合が変わったり、福利厚生の制度が変化したり、会社を通して保険に加入することができるようになったりする場合もあります。

また、老後の生活資金として大事な退職金制度は勤める会社によって大きく異なります。

もし転職先で社会保障や福利厚生制度が充実をしていれば、個人で加入している生命保険や医療保険を少なくすることができるかもしれませんし、逆に制度が前職より良くなくなってしまった場合は、自己防衛を強化する必要がでてくるでしょう。

退職金制度についても、給付される退職金の金額も異なりますし、制度自体が確定給付なのか、確定拠出年金なのか、前払い退職金なのかにもよって、選択をする必要があるでしょう。
確定給付型であれば、ある程度退職時の退職金を考えて、自分自身で準備する金額はどれくらい必要なのかを考える必要がありますし、確定拠出年金であれば、毎月の拠出額をどのように運用するかを考える必要があります。
また、前払い退職金の場合は、多くの場合、給与での受け取りと選択制確定拠出年金制度を導入している会社が多いのでどちらを選択するが、どちらも利用する場合はどの程度の割合で割り振ればいいのかなどを考える必要があります。

このように働き方に変化があった場合は、新しい環境に合わせて今後のことを考えていく必要があります。

ファイナンシャルプランナーは、現在の状況と今後の相談者の希望や不安をヒアリングしながら、「あいしんして豊かな暮らし」を実現できるためのライフプランニング、保険の見直しや資産運用、住宅ローン選びなどの具体的実行サポートをトータルで行っています。

働き方に変化があった時は、是非、ファイナンシャルプランナーに相談して新しい環境でも不安なく働くことができるようにしてもらえたらと思います。

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