老後の生活について、「年金と手持ちのお金でやっていけるのか・・・」と
心配になる人が多いようです。
一昔前なら郵便局に定期で預けていたら、6%、7%の金利があって、
何も考えなくても使えるお金が増えていた・・・というお話ですが、
今の時代の定期の金利は0.3%。1,000万円預けていても、一年で3万円しか
増えません。
しかもここから約20%の利子税などが引かれて、実質手元に入るお金は
2万5千円程度。
これだと、「生活費の足し」にはあまりならないですよね。
そんな状況なので、「ちょっと資産運用で増やしたい」と思う方が増えているようです。
平均リターンに注意!
リターンというと、「利回り」なワケですが、意外にこれがクセモノです。
銀行預金に慣れていると、「利回り5%」というと、100万円投資すると、
1年後には、105万円、2年後には約110万円・・・と増えて行くように
イメージしてしまいがちです。
しかし、実際には、年間のリターンは、-10%、+12%、+15%、-3%・・・
とその年その年によってマチマチです。
毎年マチマチなリターンの「平均が5%」なのです。
なので、1年や2年では思ったような結果がでない場合もあります。
慣れるまではコツコツ運用
初めて資産運用を始める人の場合、増えた時より減った時のことを考えて
運用をスタートすることをオススメします。
例えば、資産運用の軍資金が3,000万円だった場合、いきなり3,000万円で
運用商品を買い付けるのではなく、500万円くらいから始めて、自分が保有
している商品がどんな値動きをするのか、確認してから徐々に現金から
運用資産にシフトしていきましょう。
もし、3,000万円を一気に投入して30%下がった・・・となったら、
資産運用を続けようという気持ちにならないですよね。
『お金の寿命を増やす』イメージで運用しよう!
そして、資産運用をするときには、「運用資産で生活費の不足を全部カバーしよう!」
と欲張らずに、「現金のままより、使える期間が少し長くなるようにしよう」
くらいで考えましょう。
具体的な例でいうと、
・資産運用に回すことができるお金は3,000万円
・年間生活費が100万円足らない
という場合、3,000万円の資金で毎年100万円の利益を得ようとすると、
運用利回りは3.3%必要になります。そうではなく、
「3,000万円を取り崩して使うと30年でなくなってしまうのを40年保たせよう」
くらいで考えるのです。
そうすると、運用利回りは1.2%で済み、リスクはグンと減ります。
具体的な数字で見ると
3,000万円⇒1.2%運用で3,036万円⇒100万円使って2,936万円
2,936万円⇒1.2%運用で2,971万円⇒100万円使って2,871万円
2,871万円⇒1.2%運用で2,905万円⇒100万円使って2,805万円
・・・
と感じで、お金が減る速度を遅くするくらいの運用をするのです。
お金が減っていくこと自体をゼロにするためには、たくさんの運用資金を準備するか
ハイリスク・ハイリターンを狙うしかありません。
あんしんして豊かな老後を過ごすためのお金に大きなリスクを抱えさせず、
今より少しゆとりのある暮らしを実現するために、無理の無い資産運用も
考えてみましょう。
銀行や証券会社のオススメの商品ではなく、あなたの目的に合った運用商品を
選べるように、「何のための資産運用か」をもう一度考えてみましょう。