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iDeCoについての基本的なこと

iDeCoは個人型確定拠出年金の英語表記(individual-type Defined Contribution pension Plan)の略で、2017年からスタートした愛称です。

個人型確定拠出年金は2001年10月からスタートした、老後資金準備などに使える制度の一つですが、2017年に利用できる人の範囲を拡大したことから注目されている制度です。

iDeCo(個人型確定拠出年金)について、基本的なことをお伝えします。

iDeCoは私的年金のひとつ

iDeCo(確定拠出年金)は、国の公的年金である、国民年金や厚生年金、会社の退職金制度などとは違って、個人が自分自身で行う年金制度の一つです。

ちなみに、年金制度には、厚生年金基金や確定給付企業年金、小規模事業共済などがあります。

また、個人的に老後のお金を準備する方法としては、個人年金保険や養老保険といったものもあります。

なぜ、2017年に注目されているの?

注目されている大きなポイントは2つです。

ひとつは、個人型確定拠出年金はこれまでも制度としては存在していたのですが、使うことが出来る人が、自営業者や年金制度などがない企業の従業員などに限られていたため、公務員や退職金制度のある企業に勤める従業員や専業主婦などは使えず一般向けとは言いにくい制度でした。

これが改正された2017年からはほぼほとんどの人が利用することが出来るようになり、注目を集めています。

もうひとつは、3つの税制優遇があることです。つまり、節税ができる制度となっています。節税の方法が限られていると言われている会社員、公務員にとってはiDeco(個人型確定拠出年金)をつかって、老後資金準備をしんがら上手に節税をしようと感がる人が多いからと思われます。

わたしのところにもiDeCoをスタートさせたいというご相談がよく来ますが、始めるきっかけを聞いたところ、多くの人が「節税ができるから」答えていました。

3つの税制優遇とは

では、実際3つの税制優遇とはどのようなものかみてみましょう。

掛金が全額所得控除:例えば、毎月1万円の拠出(積立)を行った場合、所得税10%、住民税10%の人の場合、月2,000円、年間で2.4万円の節税効果を得ることができます。もし、30歳からスタートすると、60歳までの30年間で72万円もの税効果があります。

運用益が非課税:通常、預金の場合は利子税として、投資信託などの場合は売却益に対して譲渡所得税として20%が課税されます。つまり1万円の利息や利益が出た場合、2,000円の税金がかかるところが確定拠出年金の口座内の運用益に対しては、非課税となります。利益が出た時に手元残りが多くなることになります。

給付時の控除・非課税:60歳以降に受け取りを開始した際にかかる所得税に対して、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」、年金として受け取る場合は「公的年金等控除」が適用されるため、非課税になったり、通常に比べて課税が少なくなります。

このように、税制優遇に優れた制度ですが、気を付けなくてはいけないポイントもあります。

iDeCOを始める前に気を付けるポイント

どのようなことに気を付ければよいか、ポイントをお伝えします。

60歳まで原則引き出し不可:iDeCO(個人型確定拠出年金)は老後のお金を準備するための制度です。そのため、原則60歳未満での引き出しが不可なっています。一定の条件をクリアすれば脱退は認められていますが、条件が厳しく、ほとんどの場合、引き出すことはできないと考えておいた方がいいでしょう。そのため、60歳未満で使う目的のお金、例えば、子供の教育費や住宅購入資金、マイカー購入資金や緊急時に必要な予備資金などは、iDeCoでは貯めないようにしましょう。

商品の選択は加入者自身が行う:取扱い金融機関(運営管理機関)によって商品のラインナップは異なりますが、預金、保険、投資信託など複数の商品から加入者自身が月々の拠出金(掛け金)から商品を選択して購入する必要があります。購入する商品によっては元本保証がない商品もあれば、思ったようなリターンを得ることが出来ない商品などさまざまです。自分自身で選択、運用する必要があります。

メリットばかりに目をやらずに、気を付けるポイントも確認しながらスタートさせましょう。

怖がり過ぎず、「習うより慣れろ」の精神も持とう

iDeCoは魅力的なメリットがある反面、注意しなくてはいけないポイントがあることを知っていただけたかと思います。

基本的にiDeCoは長く続ける制度です。慎重なことは大事ですが、考えすぎないでスタートさせることも必要です。

たとえば、「毎月〇万円も60歳まで続けることができるだろうか・・・」という不安があったとしても、途中で拠出(積立)の金額は変更することができます。

「運用に関してきちんと勉強してからの方がいいのではないか」という不安があったおつぃても、iDeCoの場合、投資額は月々の拠出(積立)額ですから、いきなり大きな損失を抱えることはありません。スタートさせてからでも商品を変更することもできます。

安易にスタートすることはオススメできませんが、慎重になり過ぎず、「習うより慣れろ」の精神をもって、少しずつ理解していくことも大事です。

ファイナンシャルプランナーは、不安になりがちなスタート時や大きく資産が目減りした時など「どうしたらいいのだろう?」をサポートすることがミッションです。

どうしてもスタートするのに不安が残るようでしたら、ファイナンシャルプランナーのサポートを受けて、不安を解消しながら、一歩一歩、豊かな老後を実現するための準備を始めていただければと思います。

 

 

税制優遇だけに目を奪われずに、制度全体のルールをきちんと知ってからスタートしましょう。

 

 

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