2017年10月31日の日経新聞の記事で
「好景気でも温まらぬ懐」という見出しの記事がありました。
確かに最近、日経平均は過去最高の連続上昇をしたり、
2012年末から比べると日経平均は約2倍となっています。
でもお給料は?というとどうでしょうか?
私の事務所にご相談に来られるお客さまの話では、
「会社の業績はいいみたいだけど給料は・・・」と
いう人がほとんどです。
もちろん世の中全般ではないのかな?と思っていたのですが、
新聞でも記事になるくらいなので多くの人が同じような
状況ではないかと思います。
デフレだから大丈夫?
このようなお話をすると、
「デフレだからお給料が上がらなくても困らないのでは?」
という人がいますが、実際はどうでしょうか?
確かに、目に見えて「物価が上がった!」という印象は
少ないのかもしれませんが、実はいろいろなものが
値上がりしています。
10年前に比べると、
郵便はがき 50円 → 62円
USJ入場料 5,800円 → 7,600円
某弁当屋さんののり弁 270円 → 330円
と上昇しています。
これ以外にもいろいろなものが「ちょっと」上がっています。
一つ一つは「ちょっと」だったり「少額」だったりするのですが、
少額でも積み重なっていくと大きなものになります。
お給料は上がらないのに、物価は上がっていくと、
生活が苦しくなってきます。
節約でなんとかなる?
収入が変わらず、物価は上がらる時代に家計を考えるには、
節約するだけでは、間に合わない状況が考えられます。
何も使わない、何も食べないわけにはいきませんから、
使っているお金は物価が上がるとその分だけ支出が増えることになります。
そして、せっかく節約して貯めたお金も物価が上がることで
価値が下がってしまうことがあります。
今は低金利の時代です。定期預金の金利が0.01%
100万円あずけても年間100円しか増えない時代です。
そんな時代に物価だけ上がるとお金の価値が低くなってしまうのです。
例えば、先ほどの物価上昇の例でいくと、
郵便はがきは10年で50円から62円になっています。
定期預金の金利はほぼ0です。
10年前に「10年後に郵便はがきを買うために50円おいておこう」と
おいて(貯金して)いたとしても、今郵便はがきを買うことができません。
(62円するからです)
これが「お金の価値が下がる」ということです。
これからの家計は?
これからの家計を考える場合に大事なことは「お金を育てる」ということです。
もちろん、節約をすることも大事ですが、節約をして貯めているだけでは、
お金の価値が下がってしまいます。
このような話をすると「それって投資のことですよね?」
ということをおっしゃる人もいるのですが、
わたしたちファイナンシャルプランナーがアドバイスをしている投資は、
みなさんが考えるような、短期間で利益を上げるようなものではなく、
長い期間をかけて「育てる」ことを大事にすることをアドバイスしています。
日々の値動きに一喜一憂することなく、毎日の値動きを確認する必要もない、
長い目で見た「お金を育てる」ための仕組みづくりをアドバイスしています。
物価が上がってもそれに合わせるか、それ以上にお給料が上がっている
時代では家計には不要なことでしたが、物価が上がってもお給料が上がらない
時代にはとても大事な考え方です。
これからの家計を考える場合には、節約だけでなく、「お金を育てる」
ことも考えて、月々の収支ではなく、一生涯の収支がプラスになるように
考えていきましょう。