不定期で実施している「お試し相談」などでも最近は資産運用に関するご相談も多くなっています。
政府の「貯蓄から投資へ」という方針から、NISA、つみたてNISA、iDeCoなど資産運用に関する税制優遇などが増えたことも一因だと感じています。
ですので、「つみたてNISAを始めたいのですが」とか「iDeCo使いたいのですが」というような相談も多くなっています。
そこでよく聞くのが「つみたてNISAで毎月3.3万円投資しようと思っています」という言葉です。
つみたてNISAは年間40万円までの投資額に対して利益が出た場合にかかる税金が免除になります。
年間40万円ですから、12カ月で割ると3.3333…となり、「毎月3.3万円投資する」ということになります。
そもそも何のために資産運用をするのか考えよう
投資を始めたいと思うことは悪いことではないと思っています。
ご相談に来られるお客さまにも家計を改善するには、方法は3つしかなく、そのうちの一つが「お金にも育ってもらう」つまり資産運用も組み入れた方がいいと考えているからです。
では、そもそも毎月3.3万円を投資の資金にして、「どうなったらいいのか?」を考える必要があります。
例えば、20年後に老後資金として3,000万円準備したい場合、毎月3.3万円の資金の場合、約11.4%の運用利回りが必要になります。この利回りを現実にするのはかなり難しいでしょう。
逆に20年後に800万円準備したいのであれば、利回りはほとんど必要ありません(3.3万円×20年×12か月=792万円)。
老後資金準備のためにつみたてNISAを活用することは税制メリットも受けることができて、より効率的にお金を増やすことが期待できます。
しかし、「いつ」「何のために」「いくら」必要なのか?を明確にしておかないと、結局はお金が足りなかったり、必要のないリスクを抱えてしまったりしてしまいます。
一番残念なのはせっかく投資を始めたのに、ちょっとマイナスになってしまっただけで投資自体をやめてしまうことです。
何となくで初めてしまうと、何となくで辞めてしまう人も多いのです。
何かよくわからないで始めて、よくわからずに損失を出してしまって、「もうわからないからやめてしまえ」となってしまうと、損をして投資に対していやな思いだけが残ってしまいます。
まずは資産運用の目的をはっきりさせよう
資産運用を始める前に「いつ」「何のために」「いくら」必要なのか?をまず確認することをお勧めします。
その次に、その目的のためにいくら資金を投資に回すことができるのかを考えましょう。
同じ目標額だったとしても、毎月3万円投資に回すのと毎月5万円投資に回すのであれば目標とする利回りが違ってきます。月々の金額が少ない方が高り利回りを目標としなくてはならなくなり、結果としてリスクも高くなってしまいます。なるべくリスクを抑えたいのであれば毎月当投資額が多い方が有利となります。
もちろん、今の生活や近い将来使うお金を投資に回すことはあまりお勧めできませんので、出来る範囲の金額で目標に向かうように投資対象などを考える必要があります。
あくまでもつみたてNISAは「道具」
「税金がお得だからつみたてNISAを使う」ことはこれまでお話させていただいたように、不必要なリスクを抱えてしまうことや、あなたの夢や目標の実現するためにはは合わないかもしれません。
資産運用行う場合は、「なんとなく」ではなく、きちんと目的意識を持ってその目的を実現するための道具として株や債券、投資信託などを活用するしましょう。
その上で、より効率よく資産を増やすことができる可能性があるつみたてNISAも使うことも考えればいいでしょう。
あくまでもつみたてNISAは税制メリットが活用できる制度であって、あなたの資産形成をより有利にできるかもしれない道具でしかありません。
道具を使うために資産運用を始める、というのは本末転倒です。
まずは、しっかりと目的や目標を考えた上でつみたてNISAを使う必要があるのか?使う方が有利なのか?余計なリスクを負うことにならないのか?などをしっかりと考えて上手に使ってもらえたらと思います。