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オルタナティブ投資っていいの?

先日、定期的に資産運用のメンテナンスに来られているお客さまから、
「オルタナティブ投資」っていいの?という質問がありました。

資産運用は、老後のための長期保有でコツコツと・・・と思っていても、
資産運用に興味を持ってくると経済や周辺情報などに敏感になってきます。

この質問をされた方も、始めは「資産運用は長期分散積立でコツコツと・・・」と
言いうことからスタートしましたが、テレビや新聞、雑誌などを見ていても経済に
関連する話題がでると今までスルーしていたのが、自然と注目するようになったようです。
あまり短期の値動きなどに惑わされることはよくありませんが、この人のように
資産運用をきっかけに経済や政治に興味を持つことはとてもよいことです。

さて、ご質問のオルタナティブ投資とは

債券や株式など伝統的投資(conventional investments)とは収益の相関性が
異なるプライベート・エクイティ、商品、不動産、道路や鉄道などの
インフラへの投資、及びこれらに投資するファンドとくにヘッジファンド
への投資を指す。派生商品取引をも含む。(引用元:Wikipedia)

つまり、分散投資でメインの運用対象となる国内外の株式、債券以外のモノなどに
投資をすることを指します。(プライベート・エクイティとは未上場株式のこと)

一般的な証券会社などで個人が直接投資できないようなモノもふくまれていて、
なんとなく魅力的に見えるかもしれません。

GPIFでも採用されているから大丈夫?

このオルタナティブ投資は私たちの公的年金の資産を運用するGPIF
(年金積立金管理運用独立行政法人)でも取り入れられている投資方法です。

こう聞くと、「なんだ、そんなに危ない投資でもないのか」と思う人も
居るかもしれませんが、引用でも書いてあるように、プライベート・エクイティ、
つまり未上場株式なども含まれていることもあるので、リスクが低いとは言い切れません。

「オルタナティブ投資」という言葉は投資の対象が広い言葉になっているので、
「オルタナティブ投資の商品です」と紹介されたら、「具体的にどのような資産などに
投資をしているのですか?」などと具体的な投資先を確認することが大事です。

オルタナティブ投資の商品、イコール「リスクの高い商品」というワケではありませんが、
一般的にはリスクが高い傾向があることや、投資先が一般の人では確認できなような
投資先であったりするために、大きく下落した時に「なぜこんなに下がっているんだ?」
ということをメディアなどで確認ができず、本当に持ち続けていいのだろうか?
売ってしまった方がいいのだろうか?などと判断がつきにくいのではないかと
個人的には感じています。

コア・サテライト運用を考えよう

そして、「GPIFでも採用されている」ということだったので、
GPIFのHPでも確認してみました。

確認したとろ、確かにGPIFもオルタナティブ投資を行っています。

しかし、実際に投資しているのは全体の資産額の0.26%(2019年3月末時点)と1
%にも満たないのです。しかも、運用の上限は全体資産の5%と制限されています。

さらに、外部に専門チームを作っての運用するといった、かなり慎重に投資しているようです。

つまり、GPIFがオルタナティブ投資をしているといってもほんの一部で、
大部分は国内外の株式、債券へのインデックス投資を行っています。

GPIFは国民の大事な年金資産を預かっているので、預かった資産を増やすことは
大事ですがリスクが大きくなり過ぎないようにも気を使ている訳です。

GPIFのように大部分をインデックス投資で長期分散投資を行いながら、
一部の資産をオルタナティブ投資などのようにリターンが期待できるところにも
投資する方法を「コア・サテライト運用」といいます。

コアはメイン、サテライトはサブのイメージです。天体で言うと地球と月の関係です。
地球がコアで月がサテライトです。

地球と月では地球の方が大きく、月の方が小さいですよね?

これと同じく資産運用でも大部分はコア=国内外の株式、債券、一部をサテライトで
興味のある投資対象といったように投資することが大事です。

サテライト的な運用商品も証券会社などで勧められると魅力的に感じてしまうかもしれません。

いろいろな投資対象に興味を持つことはとても良いことですが、あれもいい、
これもいいと思っていたらサテライトな商品ばかりになっていた、なんてことにならないように
気を付けましょう。

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