ちょっと以前の話ですが、新型コロナウィルス問題で株価が大きく下落したタイミングで、
ネット証券の口座開設が急増したとの新聞記事が掲載されていました。
資産運用に興味を持って、証券口座を開設することは良い事ではあるのですが、
短期的な値下がりで資産運用をスタートするというのはどうかな・・・と思う
気持ちもファイナンシャルプランナー的にはあります。
当事務所にFP相談に来られる人の中にも積み立てNISAをスタートさせたい、
すでに積み立てNISAの口座を開設している、という人も増えてきましたが、
多くの人が積み立てNISAの口座を使って資産運用をしたいと考えているのに、
見落としがちになってしまっている制度があります。
会社の制度をチェックしよう
それが、会社の退職金や企業年金の制度や福利厚生の制度です。
厚生年金に加入している人の37%、つまり3人に1人は何らかの企業年金などに加入しています。
企業年金にはいくつかの制度があるのですが、一般的には確定給付型か確定拠出型の
年金制度になっています。
確定給付型は、文字通り「給付」の金額が確定しています。勤続年数や在職中の職種、
職級などで退職後の年金額が決まっている制度です。
これに対して、確定拠出型は、企業が拠出する「掛金」額が決まっています。従業員は会社から
掛金をもらって、制度の中で決まっている投資商品(貯金商品、保険商品、投資信託など)を
指定して運用を行う制度になります。つまり、確定拠出型の年金の場合、いわゆる資産運用を
行うことができます。制度の中で定められて商品となりますが、前述のように投資信託も選ぶことができます。
お金に色はないのだから・・・
確定拠出年金の中で運用される資金ですが、預金や保険、投資信託と選択ができるのですが、
投資信託で運用されているお金は年齢毎によってもことなるのですが、半分以下となっています。
特に20代以下の人は6割が貯金や保険といったいわゆる元本保証されている投資商品を
選択しています。
人によっては、「確定拠出年金は、退職金だから安全に預金で・・・」
という人も居らっしゃいますが、積み立てNISAの口座を使って運用する人の運用の理由は
多くの人が「老後のため」です。
確定拠出年金も老後のためのお金です。お金に色はついていない、という言葉通り、
同じ老後のためのお金であれば、投資信託などを選んで積極運用をしても
よいのではないでしょうか?
積極運用することでのメリット
確定拠出年金の中で投資信託などを使って積極運用するとはとてもメリットがあります。
それは、確定拠出年金内での運用利益については、直接税金がかかりません。
通常、資産運用で利益が出た場合は、20%の税金を納めないといけません。
逆に言えば確定拠出年金の中で運用することによって20%効率よくお金を準備することが
できることになります。
結果としてお給料でもらったお金を積立NISAに回さなくてもいい、
イコール、その時に使えるお金が増えると言っても言い過ぎではないでしょう。
せっかく会社がお給料以外に制度維持の費用も負担してくれているワケですから、う
まく使うに越したことはありません。
是非、上手に使って、「今も楽しく、老後も不安のない」くらしの実現を行いましょう。