2020/06/14 摂津市男女共同参画センター交流室で、「老後に役立つお金の話から老後資金2千万円必要ですか?~」
というテーマで講師を務めさせていただきました。
本来の予定では、3月13日に開催でしたが、新型コロナウィルス感染防止の観点から延期になっていたセミナーです。
当日は摂津市男女共同参画センターさまでも、緊急事態宣言が解除された後の初めての講座でした。
感染防止対策として、検温、手指の消毒、人数を大幅に減らしての開催となりましたが、満席(12名)の講座となりました。
200万円問題を話題に
内容としては、昨年話題になった
「老後の年金2000万円不足問題」をテーマに、
「自分の場合はいくら足らないのか?」を
考える方法を前半にお伝えしました。
「2000万円」という金額の根拠は?
ニュースなどでも聞かれるようになった
「老後の生活資金2000万円不足問題」ですが、
この2000万円という数字はどこからでてきたか
ご存知でしょうか?
実はこの数字は、
金融庁の金融審議会 市場ワーキング・グループの報告書
「高齢社会における資産形成・管理」という書類の中から
出てきています。
この書類の中では、
夫 65 歳以上、妻60 歳以上の夫婦のみの無職の世帯では
毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ20~30 年の人生があるとすれ
ば、不足額の総額は単純計算で1,300 万円~2,000 万円になる。この金額は
あくまで平均の不足額から導きだしたものであり、不足額は各々の収入・支
出の状況やライフスタイル等によって大きく異なる。
というように、金額も1,300万円~2,000万円と範囲があったり、
「あくまで平均の不足額から導き出したもの」
「不足額は各々の収入・支出の状況はライフプランなどに
よって大きく異なる」と記載があるのに、「2,000万円」
という数字だけが独り歩きしてしまってしまったのです。
実際に、私が事務所で開催しているFPお試し相談などでも、
「老後の2,000万円をどうして準備するかを考えたい」と
いったように相談にお越しになる人が増えてきてしまいました。
今までは、「どれくらいあれば老後あんしんか?」といった
ところから相談がスタートしたのですが・・・
わたしの場合の老後資金を考えることが大事
老後に不足する金額は家庭によってマチマチです。
国の年金だけで十分生活することができる家庭もあれば、
3,000万円、4,000万円準備しないと老後に破たんしてしまう
家庭もあります。
大事なのは「私の場合はいくら必要か?」をしっかりと
考えることがとても大事です。
老後の医療や介護のお金は?
その上で、老後にかかるお金で最も不安だと思われる、
医療や介護で実際にどれくらいのお金が必要ななのか?
なども知ってもらえるように具体的に施設に
入居した場合の例も含めてお話をしました。
介護にかかるお金はいくら?
国の資料などでも、介護に必要なお金の参考として、
0円~1,000万円といった数字をけいさいしているものが
ありました。
あまり参考にできないデータですよね(苦笑)
つまり、介護は受けるサービスや入居する施設によって
大きく必要な資金が異なるということです。
まったく介護の必要がなくピンピンコロリでお亡くなりに
なる人がいる一方、長くサポートを受けることになる人も
います。
平均の介護を受ける期間は5年弱という統計データがあります。
その間にどんなサービスを受けるか、どの程度の介護度になる
のかによって大きく必要資金が異なりますが、入居の施設の中で
比較入居しやすく、金銭的負担が大きくなり過ぎない施設として
サービス付き高齢者向け住宅というものがあります。
概ね、ひと月の負担が10万円から20万円程度なのが一般的です。
例えば、ひと月の負担が15万円のサービス付き高齢者向け住宅に
5年間入居したとなると、5年間で750万円必要になります。
ただ、入居すれば食費なども含まれますので、普段の生活費が
不要となることも考えられます。
一つの目安として、介護のための費用として300万円から600万円
程度を介護のための費用として準備するといいのではないかという
ようなお話もさせていただきました。
医療保険は必要?
ご年配の方のご相談でも多く質問がでる
医療保険についても保険商品や損得の話だけではなく、
社会保障制度でどのようなサポートがあるか?
本当に準備しておかなくてはいけない保険は
どのようなものがあるか?などもお伝えしました。
特に私が注目してもらいたい保険として
「個人賠償責任保険」というものがあります。
この保険は、万が一他人の体やモノに被害を
与えてしまった場合にカバーしてくれいる保険です。
保険は自分のためだけでなく、自分が被害を与えて
しまったら、という観点でもお話をしました。
「資産」の活用方法も
資産というと、株とか投資信託、人に貸している
土地やマンションなどをイメージする人もいますが、
気にしていなかったものが、老後の生活費に活用
出来る場合があります。
特に今、シニア世代の人の場合は、自分の持ち家や
既に払い込みが終了している終身保険など、
老後の生活に使える資金が眠っていることもあります。
このような資産をうまく使う方法があるという
情報提供もしました。
最近はやりのキャッシュレス
〇〇ペイなど、TVCMでもキャッシュレスが
進んでいますが、年配の方には抵抗感が
持っている人もすくなくありません。
特に気にされているのがクレジットカードによる
「使い過ぎ」です。
小銭を出さずに素早く支払いができるのは
魅力と思っても使い過ぎてしまうのが心配
というのはとてもよくわかります。
そんな人には銀行口座から即時決済されて
残高以上に使うことができない「デビットカード」
をお勧めしています。
デビットカードであれば使い過ぎを防ぐとともに、
年金受取りにATMに並ばなくてもすむことや、
現金を自宅に置いておく必要がなく、防犯にも
役立つことなどをお伝えしました。
以上のように盛りだくさんの情報をしっかりと
お伝えさせていただきました。
摂津市立男女共同参画センターさまの方で
アンケートを取って頂いていました。
11枚のアンケートで
「講座内容はどうでしたか?」とう欄の選択肢が
1.よかった
2.どちらかといえばよかった
3.どちらかというとよくなかった
4.よくなかった
の3択だったのですが、アンケート結果は
1.よかった:8枚
2.どちらかといえばよかった:3枚
という結果でした。
コメント欄にも「役立つ内容だった」
「参加してよかった」などのコメントも
いただいていて、ファイナンシャルプランナーとして、
暮らしに役立つお話ができたかとホッとしています。