銀行預金がさらに超低金利となりました。
銀行の上手な使い方やお金を「ふやす」にはどうすればいいか?考えてみましょう。
2020年7月29日の新聞記事で全国87の地方銀行が定期預金の金利を0.01%から0.002%に引き下げたことについての記事がありました。
100万円預けていると1年間の利息が20円。そこから利子税が20%引かれて手元には16円ということになります。
以前から「お金を預けていても利息よりATMの手数料の手数料の方が高い」といわれていましたが、いよいよ、利息がほぼゼロの状態になってきました。
なぜお金をふやす必要があるのか?
金利が付かないのは貯金しかしていない人にとっては大問題になってきます。普段の生活ではあまりきにならないかもしれませんが、長期の視点でみると「お金の価値が目減りしていく」ことになりかねません。
お金の価値が目減りするとは?
お金の価値が目減りするとはどういうことかというと、今のお金例えば100円で買えるモノが将来100円では買えなくなってしまうという事です。
モノやサービスの値段が上がる、いわゆる、インフレです。
例えば、インフレ率が3%で、預金の金利が5%であれば、インフレになっても利息がインフレに勝っている、モノの値段が上がるよりお金が増えている状態であれば貯金しておけば将来も同じものを買うことができますが、預金金利よりインフレ率の方が高いと将来的に同じモノを買えない、つまりお金の価値が目減りすることに預金では対抗できないということになります。
本当にお金は目減りしているの?
総務省統計局のホームページに2015年基準 消費者物価指数 全国 2020年(令和2年)6月分 (2020年7月21日公表)というページがあります。
これを見ると、年平均の総合の消費者物価指数は、2017年が0.5%、2018年が1.0%、2019年が0.5%となっています。
地方銀行が金利を下げる前の定期金利の利率0.01%よりはるかに上回っています。
小さな差に見えるかもしれませんが、20年、30年と積み重なると大きな差になってきてしまいます。
あまり意識をしていないかもしれませんが、30年前は缶ジュースが自動販売機で100円で販売されていました。今はどうでしょうか?一般的な自動販売機では130円ですよね。つまり、30年で缶ジュースの値段は30%も上がっているということになります。
「100均ショップでいろいろなものが買えるし、ファストフードやファストファッションなどもあるから大丈夫でしょ?」という人も居るかもしれませんが、徐々に日々の生活の中のものも値段が上がってきています。
例えば、乳製品などで、今までと同じ値段で購入出来ているけれど、量が少なくなった・・・なんてことはないでしょうか?企業としては、手に取ってもらいやすいように値段は据え置きにして、量や素材、梱包や輸送などいろいろなところで工夫をしているのですが、いつかは値段自体を上げることになるでしょう。
お金を増やさないと、将来楽しいことができなくなる?
物価の上昇は、企業の工夫で何とかされていることも多いのですが、楽しいことや便利なモノなど、いわゆる贅沢品は食料品や生活雑貨などに比べて早く上昇しています。
携帯電話などはどうでしょうか?もちろん、性能がアップしているから、ということもありますが、iPhoneなどは新製品が出るたびに値段はあがっていないでしょうか?
そして、娯楽などの値段もあがっていないでしょうか?東京ディズニーランド、ディズニーシー、ユニバーサルスタジオジャパンなどの入園料はここのところ上昇していますし、コンサートやライブのチケットも30年前に比べると2倍、3倍、それ以上になっています。
つまり、楽しい事、便利な事などの値段は日々使う食料品や衣料品などに比べると値段が上がりやすいのです。
将来自分が用意したお金で他の楽しみたいな、楽をしたいなと思って貯金をしているのなら、もしかするとあなたが思っている以上にたくさんのお金を貯金していないと、お金の価値が目減りしていることで、あなたが思っている豊かな暮らしはできないかもしれません。
銀行預金の上手な使い方
だからといって、銀行預金が全然ダメだ、というワケではありません。
日々必要なお金だけを銀行に預ける
私たちは日々、お金を使って暮らしています。10日間一円もお金を使わなかった・・・なんてことはあまりないのではないでしょうか?もし、自分がお金を使っていなかったとしても、水道光熱費や、通信費、家賃や住宅ローンなど自動で引き落とされて使われていることもあるでしょう。
銀行口座はそのような日々使うお金を出し入れするのにとても便利です。
現金で給料をもらって、家に置いておく事も出来るかもしれませんが、盗難やひったくり、紛失などのリスクもありますから、現実的ではありません。
やはり、銀行に預けておくことが便利で安心ではないかと思います。
その点では、銀行口座は、自分の生活圏やよく行くところで気軽に引き落としができる銀行がいいでしょう。その上で、ATM手数料などがゼロまたは低いとベストです。
ネット銀行は怖くない!上手に使おう
最近は銀行の支店やATMも減ってきています。通帳を新たに作る場合は有料になった銀行もあります。
銀行員に相談をすることもほとんどありませんから、ネット銀行の活用も考えましょう。
多くのネット銀行では、コンビニATMと提携していて、引き出しや振り込みなども簡単に行えます。
「ネット銀行」って危なくないの?という事を聞かれることがありますが、某ネット銀行の開発者にお話をきいたところ、セキュリティはネット銀行も都市銀行も変わらないということです。
デビットカードも活用しよう
ATMが身近にない、手数料がもったいない、でもクレジットカードは使い過ぎが心配。という人はデビットカードを活用しましょう。
デビットカードは、クレジットカードと同じようにカードで買い物などをしますが、その支払いは紐付けされてる銀行口座から即時決済(支払い)が行われますので、銀行の残高以上に使うことはできず、「使い過ぎて来月のカードの支払いが心配」という事はありません。
わたしもデビットカードを多用していますが、「このカードは使えません」と言われたことはほとんどありません。
また、銀行の残高以上の支払いが行われないので、カードを盗難に遭った場合でも被害額を抑えることができます。
保険会社や証券会社も活用しよう!
お金の預け先は銀行だけではありません。
保険会社、証券会社も金融機関のひとつです。
もちろん、使う金融機関によってメリットとリスクがそれぞれにあります。
銀行に預けるメリットとリスク
銀行にお金を預けると
- いつでも入出金ができる
- 1000万円までの元本と利息は保証される
というメリットがありますが、
- 物価上昇に追い付かずお金の価値が目減りする
という、リスクがあります。
保険会社に預けるメリットとリスク
保険会社の商品、保険は万が一に備えるための機能がありますが、商品によっては、満期迎えたり解約をすると払った保険料以上の満期金や解約返戻金を受け取ることができる商品もあります。
なので、銀行や証券会社などと同じように金融商品として活用することもできます。
ただし、保険の場合、保険料の支払い期間が決まっていることで
- ある一定期間続けないと損をする
- 保険料の減額を行うと減額部分が損になる
- 保険料の増額をするのが難しい
などの可能性があります。
保険商品でお金を増やす、お金に働いてもらう場合は、その契約を長期に続けることができるか、が重要になります。
証券会社に預けるメリットとリスク
証券会社では、国内外の株式や債券、REIT(不動産)といった、投資先にお金を投資することができます。
その方法もさまざまで、株式などに直接と行うことや、投資信託などを使って間接的に行う事も出来ます。
結果として、リターンを得ることができます。
その一方
- 元本保証ではない
- 自分で投資先を選ばなくてはならない
という、ことがあります。
株式や債券などの成長資産は、世界の経済の成長によって大きくなります。
しかし、経済の成長は上がる一方とは限りません、リーマンショックのように一時期大きく後退することもあり、短期での成長を期待し過ぎると損失を被ってしまうことがあります。
株式や債券、投資信託などでお金にも育ってもらうには、下がったときにも持ち続けることができるお金である必要があります。
すぐに使う目的があるようなお金ではなく、老後の生活資金のような比較的先の未来に必要なお金を育てるのに向いているといえます。
銀行預金だけ、から一歩踏み出そう!
銀行はこれからも、生活のお金を預けておくためには必要な金融機関です。
しかし、銀行に預けておくだけでは、「お金の価値が目減りする」リスクがつきまといます。
銀行預金以外の金融商品を持つことで、お金の価値を目減りさせない、増やして、ゆたかな暮らしができるように一歩踏み出してもらえたらと思います。