確定拠出年金(iDeCo含む)の加入者が年70万人のぺーすで増えていて、1,000滿人に迫っている。確定給付年金を上回る加入者数になっている・・・という記事がありました。
会社が勤続年数などで決められた退職金を準備する確定給付年金に比べて確定拠出年金は、会社が拠出した掛金を加入者自身で商品を選び運用します。「面倒くさいなぁ」と思われる人がいる反面、自分で選ぶことで60歳以降にもらえるお金が増えるチャンスに魅力を感じるひともいるでしょう。
さらに、会社で制度を導入している企業型確定拠出年金に加えて、個人が自分で口座を開設して行う個人型確定拠出年金(iDeCo)もあり、特にここ数年はiDeCoの加入者数の伸びが大きいようです。
ファイナンシャルプランナー目線でテレビなどを見ていると、個人型確定拠出年金にiDeCoという愛称を付けたタイミングで、メディアなどでも取り上げられたことや、少し前に話題になった「老後2,000万円不足問題」などで脚光を浴び、一般的になったように思えます。
確定拠出年金は自分で商品を選ぶけど・・・
確定拠出年金は、「運用商品を自ら選び運用する」ことが原則となっています。
ただ、運用と言っても、元本保証がされている預金や保険商品なども含まれています。
確定拠出型年金の運用状況を見てみる
このため、「よくわからないから」という理由で預金商品を選ぶ人も多くいます。
実際に新聞記事での2020年30月末時点での企業型確定拠出年金の運用商品割合は
・預貯金:36.1%
・保険:15.6%
・投資信託:47.3%
と、元本確保商品が52.7%と半分以上がほとんど利息の付かない、「おいておくだけ」の商品が選択されている状態です。
元本確保商品が悪いわけではありませんが、物価が上がってしまうと、実際のお金の価値が下がってしまいます。
元本保証商品のリスクはお金の価値が下がること
もし、物価が毎年1%と上昇するとしたら、10年後には物価は1.1倍になっています。今、100万円で買えるものが110万円必要になります。
それに対して、預金の金利はほぼゼロ。今の100万円は10年後もほぼ100万円のままです。
つまり、今預貯金などで置いている100万円では、今100万円の商品が10年後購入できなくなってしまうことになります。
だから、大事な老後のお金を準備するための確定拠出年金の商品の中にも原本保障がされていないけれど、上昇する可能性がある、株式や債券、不動産に少額から投資ができる投資信託が選べるようになっているのです。
なんとなく選ばれている投資信託・・・ちょっと危険です
逆を言うと、投資信託を選んでいる人も5割近くになっているし、」わたしは投資信託を選んでいる」という人もいるのですが、わたしの事務所のFP相談に来られる人や、企業に出向いて確定拠出年金のセミナーなどをしているときに
「どういう理由でこの商品を選んだんですか?」
と聞くと、ほとんどの人が明確な理由がなく、「なんとなく」選んでいるという答えが返ってきます。
リスク・リターンをチェックしよう
もちろん、怖いから預金や保険商品を選ぶよりかはよいとは思うのですが、何となく選んだ場合、次のようなリスクがあります。
・大きく下落した時に怖くなってしまい売却→損をしてしまう
・老後に思っていたほどのお金が準備できていない
投資信託とひとくくりにしても、商品によっては保有している金融商品は全く異なります。なので、値動きもそれぞれ違いますし、期待できるリターンも違ってきます。
保有している商品全体で、どれくらいのリスクがあるのか、将来どれくらいの金額になるのかをしっかりと知って運用していくことが大事です。
ファイナンシャルプランナーが大事にしていること
LBプランニングでは、確定拠出年金を含め老後資金準備のための資産運用のサポートも行っています。
資産運用のアドバイスをするときに、気を付けていることは、「その人の価値観とライフスタイル」です。
いくら資産運用でお金を増やすといっても、その人が元本割れの恐怖が強いのであれば、投資信託を無理に選ぶのではなく、他の方法を提示して、メリット・デメリットなどをお伝えします。
そして、資産運用に回せるお金や資産運用で達成したい金額、時期は人や家庭によってさまざまです。
それぞれ、老後の公的年金がいくらもらえるのか、月々に必要な生活費はいくらなのか、どんな趣味があるのか、など千差万別です。すべての人が「老後2000万円不足」するわけではありませんし、2,000万円では足りない人もいます。
LBプランニングでは、資産運用のご相談をご依頼頂いた時には次のようなサービスを行っています。
・老後のために準備しなくてはいけない実際の金額はいくらか?
→ライフプランシュミレーションによる必要金額の算出
→公的老齢年金の受給額の確認
→退職金など勤務先での準備状況の確認
・そもそも、資産運用とは?なぜ、株式や債券に投資をするのか?
・投資信託とはどんな商品か?
→資産運用の基礎知識のレクチャー
・リスク・リターンはどのように決めるのか?
→アセットアロケーションの作成
・具体的にどのような組み合わせをすればよいのか?
→具体的な商品の選定と商品の説明
・運用を続けている間に何をすればよいか?
→アセットアロケーションの見直しと定期的なリバランス
また、多くの人が資産運用を行うと同時に今後の生活設計(ライフプラン)や住宅購入相談、家計の見直し、生活リスクへの備えなどを並行して相談されます。
なぜなら、私たちは老後のために生活をしているワケではなく、今の生活も充実したものとしながら、万が一のリスクにも備えつつ、安心して老後を迎えるために、資産運用を行って老後資金準備を行うからです。今の暮らしにも目を向けてお金の貯め方だけでなく、お金の使い方も考える必要があります。
ファイナンシャルプランナーは資産運用だけでなく、今の生活資金の見直しやリスクへの備え、将来不足する生活資金の準備などをトータルに相談していただける「家計のプロ」です。
「相談してみたいけど本当に大丈夫?」という人のためにLBプランニングでは、FPお試し相談、無料事前相談を行っています。
気軽にご相談にきていただければと思います。