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新NISAはS&P500かオルカン一本が正解か?

2024年から「新NISA」というかたちで新しい非課税投資制度がスタートしています

新NISAの特徴

新NISAは次のような特徴があります

  • 非課税保有期間の無期限化: これまでのNISAよりも長期間、非課税で保有可能
  • 口座開設期間の恒久化: 口座をいつでも開設可能
  • つみたて投資枠と成長投資枠の併用: 両方の枠を組み合わせて投資可能
  • 年間投資枠の拡大: つみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円、合計最大年間360万円まで投資が可能
  • 非課税保有限度額の拡大: 全体で1,800万円、成長投資枠は1,200万円

つまり、比較的大きな金額を非課税で運用することができるため、(課税されるよりも)効率よく資産形成をすることができるようになりました

NISAの気を付けるポイント

NISAで保有することができる商品は、投資信託や上場株式です

このため元本割れの可能性があり、資産を減らすことも考えられます

あくまで、NISAは利益に対しての課税が非課税保となるだけですので、元本保証などはありません

なので、投資する金額や保有する商品を慎重に検討する必要があります

S&P500やオルカンに投資していればいいのか?

最近のテレビの情報番組や投資系のYouTubeなどでは新NISAの非課税枠を使って投資する場合に、S&P500やオルカン(全世界株式)のインデックスファンドに投資することをオススメするようなものを見ることが多いのですが、本当に大丈夫なのでしょうか?

そもそも、S&P500やオルカンとは?

そもそも、YouTubeなどで紹介されているS&P500やオルカンとはいったいどんなものでしょうか?

S&P500とは

S&P500とは、スタンダード・アンド・プアーズ500種指数の略称で、ニューヨーク証券取引所とナスダックに上場している銘柄から選ばれた、アメリカを代表する500銘柄で構成される株価指数です。

一般的に、S&P500指数は、アメリカ株式市場の動向を示す重要な指標です

このため、一般的にメディアやYouTubeなどで言われているS&P500とはこの指数に連動する投資信託を言っています

オルカンとは

オール・カントリーの略で、全世界の株式に投資する投資信託のことを指します

三菱UFJアセットマネジメント社が運用するeMAXIS Slim 全世界株式の場合、日本を含む先進国ならびに新興国の株式に投資されており、約2,800社の株式に投資されています(2023/03/6現在)

つまり、S&P500もオールカントリーもどちらも株式に投資する投資信託を意味します

代表的な投資対象として、株式市場、債券市場、不動産市場などがありますが、一般的に株式投資は他の投資に比べるとリスク・リターンが大きくなる傾向があります

ファイナンシャルプランナーに資産運用を相談

S&P500、オルカンに投資する場合の知っておきたいポイント

リスク・リターンの大きい投資対象である

相談に来られたお客さまの中でも、「S&P500(オルカン)に投資していれば安全なんですよね?」というご質問をいただくことがあります

安全だと思われた理由をお聞きしたところ、「いろいろな企業に分散投資されているからリスクが低くなっていると(何かしらのメディアで)言っていたから」というお答えが多く聞かれました

確かに、何か1社に投資されているよりも、さまざまな企業に分散されている方がリスクは軽減されるといえるかもしれませんが、株式市場に投資をするという意味ではリスクは大きいと言わざるを得ません

例えば、2007年のリーマンショックの場合、米国をはじめとした多くの国々の株式は50%以上下落しましたし、新型コロナウィルス感染の時は30%以上も下落しました
この下落は1社のものではなく「世界全体」の下落です

リスク・リターンの大きい投資対象であることを知ったうえで投資する必要があります

オルカンでも米国比率は高い

これもご相談の方からよく聞くことですが、「オルカン(オールカントリー株式)ならS&P500より分散が効いているんですよね」ということです

確かに米国株式のみを対象としたS&P500よりか、オールカントリー株式の方が日本を含む米国株式以外にも投資をしています

しかし、実際にはオールカントリー株式でも米国株式の比率は高くなっています

前述の三菱UFJアセットマネジメント社が運用するeMAXIS Slim 全世界株式の2024年1月31日現在の月次レポートを見ると米国株式の保有比率は62.7%となっています

これは、元々のベンチマークとなる指標に連動する形となっているので、どうしても米国株式の比率が高くなってしまいます

オルカンに投資をしたとしても米国株式の比率は高いことを知っておきましょう

分散投資とは

S&P500やオルカンの投資信託を保有することは分散投資と言えなくはないです

しかし、一般的にプロが考える分散投資とは、異なる地域の異なる資産に投資することにあります

つまりいろいろな国のいろいろな資産(株式、債券、不動産など)に投資をすることです

プロの目線から見るとS&P500やオルカンだけに投資をするのは、分散投資とは言わず、集中投資と考えます

相場は常に動いており、その資産がリターンをもたらすかはわかりません
わからないので、いろいろな資産に投資することで、リスクを軽減することを考えて投資をしています

なので、特に長期でなるべく安定的な運用を考えている、国や企業の年金運用や大学の資金運用は分散投資を行っています

日本の公的年金の管理・運用を行っているGPIFや米国最大の年金基金であるカルフォルニア州職員退職年金基金のカルパースなども株式や債券に分散投資を行っているので、参考にしてみてもいいでしょう

自分にあった投資スタイルを考えよう

もちろん、S&P500やオルカン一本が悪いわけではありません

よくないのは、「テレビで言っていたから」「有名人が勧めていた」「YouTubeをみたら全部そういってた」など、偏った情報だけを観て投資方針を決めてしまうことです

メディアやYouTubeは「あなたにあった情報」を提供しているわけではありません
「短い時間で端的な情報」だったり、「一番バズりやすい情報」だったり、「その人の単なる体験談」だったりしいます

投資についても、食べ物や服の好みと同じで、それぞれ好みが違います
大きなリスクを背負ってでも短期間に大きなリターンを得たい人が居る反面、なるべく損失は抑えてたい人もいます

人によって投資への考え方も様々です

いろいろなメディアや本などで勉強して投資をして、失敗も経験することもよいことですが、プロ(ファイナンシャルプランナー)のアドバイスを受けることもいいでしょう

LBプランニングは2005年から独立ファイナンシャルプランナーとしてお客さまにアドバイスをしています

リーマンショックの時のお客様の反応やどのような状況だったのかも経験をしています

長い経験を元としたアドバイスを必要と感じたら一度「お試し相談」で体験してもらえると幸いです

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