新NISAが今年スタートして、資産運用を始めた人、加速した人も多いのではないでしょうか
新聞記事によると1月から4月までの投資信託の流入量は4兆円。つまり毎月1兆円のお金が投資信託に流れています
その中でも、米国株式指数のひとつのS&P500に連動するインデックスファンドや全世界株式指数に連動するインデックスファンド(オールカントリー、オルカン)などの買いが続いているようです
SBI証券の買付ランキングでも全世界株式ファンド(オルカン)が1位となっています
ランキング1位がホントにいいの?
投資信託などの投資商品に限らないですが、「売れている商品」=「いい商品」とは限りません
もちろん、たくさんの人が買っているということは事実なのかもしれませんが、それが「あなたに合っているモノ」なのかどうかはわかりません
たとえば、少しハードめのハイキングに行くための靴を買いに靴屋さんに行って、「うちで一番売れているのはコレです!」と言って、サンダルタイプのクロックスを勧められたらどう思いますか?
「楽でいいけど、ハードなハイキングには合わないんじゃない?危険だし」と思うことでしょう
投資信託なども同じで、目的や目標にあった商品を選ぶ必要があります
リターンに注意!
YouTubeや報道番組でも、注目されるのはリターンです
もちろん、リターンが高いことは悪いことではありませんが、注意が必要です
リターンというとプラスのイメージが強いですし、「この商品はリターンが10%です」と言われるととても魅力的に感じてしまうでしょう
しかし、いくつか気を付けるポイントがあります
正確には過去の平均リターン
平均リターンは過去何年かの利回りの「平均」となります
なので、各年のリターンが以下だったとします
2023年:+40%
2022年:ー20%
2021年:+20%
2020年:0%
この場合、次のように2020年から2023年の4年間の平均リターンを計算します
(40%+(ー20%)+(+20%)+0%)÷4年 = 平均リターン10%
では、2020年から2020年の3年間の平均リターンはどうなるでしょうか?
(ー20%+(+20%)+0%)÷3年 = 平均リターン0%
「平均リターン」で気を付けることは?
平均リターンで気を付けなければいけないことに次のようなことがあります
- 将来のリターンを保障するものではない
- 平均リターンを出す期間やタイミングで平均リターンは変わる
- 毎年10%のリターンがあるわけではない
- おおきなマイナスも発生する可能性がある
2004年からの20年のオールカントリー(株式)に関しては約10%の平均リターンでした
ただし、リスクは18.8%あります
今回は細かい説明は省きますが、リスクが18.8ということは、相場によっては30%以上のマイナスリターンとなる年もあるということになります
長く運用を続けるコツは大きなマイナスが出ないようにすることもポイントになります
投資対象を確認することが大事
投資信託は、目論見書に定められた資産や地域、国に投資することになっています
投資の結果は、投資先によって変わります
なので、購入しようとしている投資信託がどのような資産に、どのような国に投資しているかを確認しておくことが大事です
例えば、某オールカントリーファンドの場合、投資する資産は株式、投資先の国別の保有率は以下のようになっています
- 米国:約62.3%
- 日本:約5.4%
- イギリス:約3.4%
- カナダ:約2.7%・・・と続き、上位7番目にインド:約1.9%となっています
これを見てどう思うでしょうか?
「アメリカ株式の比率がとても多いな」とか、「日本はいらないな」とか、「インドにもっと投資したいな」となど、いろいろな思いがあるでしょうし、「よくわからない」「これでいいんじゃない」と思う人もいるでしょう
投資先に疑問があったら
何か、組み入れ比率などに考えがあるようだったら、別の投資信託を選ぶ、他の投資信託も組み合わせて全体での組入れのバランスを調整するのもいいでしょう
よくわからないと思ったら
よくわからないままに投資を始めると思いもよらない下落があった場合、「こんなに下がるとは思わなかった」「なんでこんなに下がったのかわからない」「投資なんかするんじゃなかった」などマイナスの思いと後悔がのこってしまうでしょう
やくわからない場合は、きちんとその商品性やリスクについて少しでも理解した上で資産運用をスタートするようにすることをオススメします
独立ファイナンシャルプランナーは、商品の販売を主目的にせず顧客本位でのアドバイス、サポートを行う暮らしのお金のプロフェッショナルです
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