ファイナンシャルプランナーとして資産運用の相談を受けていますが、ご相談に来られる方は2通りの方がいらっしゃいます。
・これから資産運用を始めたいと思っている人
・すでに資産運用をしている人
これから資産運用を始めたいと思っている人はわざわざファイナンシャルプランナーのところに来て相談しながら運用をスタートしたいということですから、慎重派の方かもしれません。
すでに資産運用をしている人の相談の多くは「思ってもいなかった損失が出て困っている。どうしたらいいんだろう」といったようなものです。
つまり、資産運用で失敗した(もしくは失敗したと思っている)人です。
今回は、そんあ人に共通することをお伝えしたいと思います。
金融機関に勧められるがままに契約してしまった
お話を聞いていると非常に多いケースです。養老保険の満期の引き出しや定期預金をしようと思って窓口に行くと「そのお金で投資信託を買いませんか?」といったような勧誘を受けてなんとなく購入してしまって、しばらくして解約しようとしたら大きく損が出てしまっていた。なんてことをしばしば聞きます。
銀行や郵便局でももちろんリスクの説明などは行っていると思われますが、お客さんは「金利のいい定期預金」程度にしか思っていなかったりします。定期預金感覚ですから、解約すれば預けたお金は戻ってくるはずなのに・・・。という結果になって慌ててしまうこととなります。
金融機関側とすれば、「こちらはきちんとちゃんと説明した。お客さまも説明を受けたという書類にサインをしている」ということになるわけですが「適合性の原則」に合っていないのではないかと思います。金融機関も各支店や営業マンごとにノルマがありますから、「売らないといけない」となれば、ちょっと無理してでも・・・となってしまうことも多いのではないかと思います。
また、窓口の方は金融のプロではないことも多く、営業マニュアルに沿って説明をしているだけの人もたくさんいらっしゃるかと思います。つまり、説明している人自身が商品を理解していないことも考えられます。
「銀行、郵便局の勧める商品だから安心」という時代は終わってしまっています。
私たちが自己防衛するとするならば「年率0.5%以上の商品は何かリスクがある」くらいに考えておいた方がいいでしょう。
そう考えた上でどれくらいのリスクがあるのか?マイナス方向に行った場合どれくらいの損失がでるか?を想像してから購入を決めましょう。
多額の資金でまとめて購入した
退職金2,000万円で、2種類の投資信託を1,000万円ずつ購入した。いきなり両方とも下がって数百万円の損失が出た。なんて話があります。
リスクについてはきちんと理解していて、○%くらい下がる可能性があるだろうと頭の中で理解していても、実際に何百万円も損失があった場合、「やっぱり下がったね」と冷静でいられることは難しいのではないかと思います。
退職金や相続などでまとまったお金が入ってくると、「銀行預金に置いておくのはもったいない」と思って投資商品を購入検討するケースも多く見受けられます。今まで運用を考えもしなかった人がいきなり多額のお金を運用してもうまく行く可能性は非常に低いと思います。
しかし、金融機関の営業マンは、「初めてですし、少しずつ資金を増やして運用していきましょう。まずは100万円から・・・」なんてアドバイスをしてくれません。営業マンからすれば、100万円も1000万円も手間は一緒なのです。10回に分けて手続きするより1回で終わらせたいのが本音です。
「今買えば絶対上がる」と思うなら全額一気に投資してもいいと思います。一番効率がいい投資になります。しかし、実際は上がるか下がるか分からないのですから一気に投資するのはリスクがあることになります。小分けに投資すれば、いきなり大きな下げがあったとしても、現金で残っている部分に影響はありませんし、下がったところで残っている現金で購入すれば安いときに買うことができます。
分配金ばかり気にして購入した
「金利が4%って聞いたから買ったら、元本が5割ぐらいになっている」といったようなご相談です。
毎月分配型と言われる投資信託は毎月決算が行われて分配金が出る商品があります。分配金は普通で考えると利益がでていてその利益から出るもののはずです。しかし、分配金は「利益から出す」とうルールがあるわけではなく、元本部分からもでています。
例えば 10,000円の元本で分配金が毎月80円出る商品があるとします。その商品が1ヶ月利益が0だった場合、80円の分配金が出て、商品の価値は9,920円になっていることなります。つまり、元本の価値が減っていることになります。
初めの例と同じような感じですが、「金利のいい定期預金」程度にしか思わず購入してしまっているのです。
重ねて言いますが、「年率0.5%以上の商品は何かリスクがある」と考えなくてはいけません。
資産運用で失敗する人から成功を学ぶ
これ以外にもまだまだ例はありますが、これだけでもいろいろと考えさせられるところがあるかと思います。
人によっては、「そんなん当たり前やん」と思うかもしれませんが、実際自分が運用するときには意外と同じような過ちをしてしまう可能性もあります。
今までのれいだけでも、資産運用で失敗しないためには、
・リターンだけでなく、リスクもきちんと理解して選ぶ
・まとめ買いはせず、何回にも分けて購入する
事が大事わかるかと思います。